NF Audio NM2+ vs NA2+ レビュー&比較

NF Audio NM2+に親しんで久しく他の製品に興味は無かったのですが、モニターと謳ったNM2+と対をなすMusicシリーズと言うイヤホンが同じブランドから出ています。これらを自分の耳で比べてみたい、NM2+でも十分に音楽的なチューニングであるイヤホンと、リスニングに特化したNA2+にどれくらいの差があるのか聴覚過敏症の耳で聴き比べて行きたいと思います。

先に買ったのがNM2+、こいつは十分にエージングされているのに対して、NA2+は新しく買い足したのでまずはエージングをしっかりして同じ土俵に上げてやらなくてはいけません。

メーカー推奨の50時間の倍を見て100時間程32Bit384kHzのピンクノイズを流してやり、エージングが十分になされたとして2つのイヤホンを比較する事にします。

新しく買ったNA2+ですが、いわゆる箱出しの音のレビューはしません。楽しみでまずは聴いてみたい気持ちは分かりますが、エージングをして初めて音が完成するイヤホンの箱出しレビューは、全く意味のない事だと考え、一応念の為動作確認のために音を出してチェックする以外は聴いてもいません。比較にあたってはFiiOのBTR5をアンプとして使い、ケーブルは汎用性の高いNicehckのOalloyを使い製品の差を導き出して行きたいと考えています。同じブランドの同じグレードの製品ということで、ボリューム等は一緒に設定してレビュー出来たらなと思います。

両方ともダイナミックドライバ1個の構成でデュアルキャビティと言うCNCでくり抜いた凹部分が2つある設計になっている(違うかも)のが売りのようです。NM2+がMC2L-10II、NA2+がMC2L-10Mと言う型番が違うドライバを使っているのでその辺から違いが分かることを期待しつつ、毎度おなじみのMassive Attack – Safe From HarmとL-Side – Carnal Mindを聴いてチェックしてゆきます。

イヤーチップはAZLA SednaEarfit Lightを使っています。色々買って試した結果コレが一番自分の耳に合います。
まずはOTOTOYで買った24bit96khzのSafe from HarmをFiiO MusicのWi-Fiを経由してiPhoneに移します。Apple MusicにはApple Digital Masterのハイレゾロスレス音源があるのでそれとも聴き比べをします。L-Side – Carnal MindもApple Musicにあるロスレスを。iPhoneとFiiO BTR5にOTGケーブルで繋いで準備万端、こういう風に写真を撮ったのですがまたLRを識別してOalloyに繋げる作業がめんどくさかったです。OTGケーブル接続もめんどい。

https://www.instagram.com/p/CQHTshunWgu/

NM2+での96k Massive Attack – Safe from Harm、ハイレゾは信じていないはずなんですけど音がスムースです。録音の良さがよく分かる解像度の高い音です。イントロのベースのゴリゴリ言う重低音のニュアンスまで出ています。スネアの残響が耳に残ります。女性ヴォーカルの中音域はしっかりとセクシーな声です。曲のアウトロでは少しづつクレッシェンドしてゆくのが分かります。オブリガードのシンセの音は、やはりCollectedに入っているバージョンと音色が違います。低く沈み込んだベースラインを見ているかのような構成です。
歌のコーラス部分のディレイはこちらのほうが良く聞き取れます。低音が効いていると言えるパンチのある重低音がよく鳴ります。

Apple Digital Master、音量が少し小さい以外違いがわかりません。本当にApple Musicのために手を加えているか怪しい所です。コレは単純にOTOTOYハイレゾ音源のほうが音量を稼いでよく聞こえるように仕組んでいるだけのように思います。

ベースの比較用にL-Side – Carnal Mind(ロスレス)も聴いていきます。いつも聴いているのが320k mp3なのでその聴き比べでもあります。ぬぬぬ、ローエンドの音程がよく取れるくらい良いベースが出ています。ロスレス至上主義ではないはずなのですが、耳に嘘はつけません。ロスレスの方が重低音がちゃんと出ています。NM2+は重低音がよく出ます。ブレイク明けなんかは耳自体が振動するくらいのローリッチです。モニターとして考えるとローが出過ぎな感もあります。

NA2+、Safe from Harm、スネアのゴーストノートが聞こえます。リバーブが掛かっているのもしっかり分かります。ヴォーカルにフェイズ系のエフェクトが掛かっている所が抜き出て聞こえます。ベースの粒立ちもはこちらの方が良いです。NM2+より全体的にキメが細かいです。低音はこちらの方が控えめな感じですが芯はしっかりしています。
少しだけ差があるのですが、音楽を楽しむ用途(楽しむモード)で聴いているとわからないモノがほとんどです。
Carnal Mind、イントロのヴォーカルに掛かっているディレイが深く聞こえます。ベースはこっちの方が控えめ、味付けの音量の意味で言っているのでベースが出ていないわけではありません。NM2+ではボンついていた低音もNA2+だと締まって聞こえます。良いウーファにあるようにコーン紙を動かす力だけでなく静止させる力も十分備えているようなコントロールされた低音が聞こえます。

で、比較してどうなの?と言う話になるんですが、まずロスレス96kが320kbpsのmp3より良い音で出てくるのはロスレス背信者のオレも敗北を感じました。良い機材だとわかります。
重低音の低い部分なんかはやっぱ差が出てくるものなんですね。反省します。

NM2+とNA2+の差はベースの量感、NM2+の方が出過ぎなくらい出ています。ハイレゾで聴いてみて差があるかチェックしたのですが意識して効いていると音の滑らかさや質感に違いを感じます。スネアの余韻とか金物の立ち上がりとか色々と発見はあるのですが、何も考えずにリラックスして音楽を聴く分にはこれスッキリしたNA2+で良いと思います。NM2+はBasshead向け、ブンブン鳴りすぎるくらいのベースが好きな方はこっちでしょう。

ちなみにゼンハイザーHD25ではどうだったかと言うと、美味しい帯域のベースがゴリゴリ鳴っている、スネアの音色が良い、ハイハットの裏拍がとりやすい。てな感じでした。他の曲が鳴っている中、ヘッドホンの中の音楽を取りやすかったです。HD25偉大です。シングルエンドでこの音ですから。拍子の取りやすさもさすがは世界No1 DJヘッドホンだと納得させてくれる音でした。30年前からこの音ですよ?

以上が今回の内容です。あんまり差が無いイヤホンの差を無理やり作り出している感がありますが、どっちを買っても両方とも良い音で意識せずに音楽を楽しめるでしょう。
以上

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA