イヤホン全盛の今、ヘッドホンを使うには何か特別な理由が必要です。
そしてコレがそのひとつの解答です。ゼンハイザーHD25、DJ業界のスタンダードとして長年愛され続けています。
コンパクトな形状、片方のカップを跳ね上げて片耳モニタリングに対応していてしかもパワフルな低域と高い解像度。密閉式で外音の環境に左右されない聞き心地、民藝で言う「用の美」を追求した無骨でミニマルな工業デザイン、特にコシのある低域はこのヘッドホンの特徴となっています。
自分がHD25の評価で推して行きたいポイント、特筆すべきはその重さ、たったの165g、ケーブルを含めての重量です。これによって装着してる事を意識することなく頭に引っ掛けたままDJ作業をこなし、必要のある時だけずらして使用すると言う運用が可能になっています。HD25の軽さはあまり話題に登りませんが、一度経験したら他の重いヘッドホンには戻れなくなる魅力がこの製品にはあります。頭を大きく振って音楽にノッてもずれる事も、重さで不自由を感じる事もありません。元々が放送業界の音響技術者用に作られただけあって、動きながら音を聴くと言う行為に親和性が高い、DJ向けとしてもドンピシャなヘッドホンです。
安心と信頼のブランド
DJをやってると言うと会話でヘッドフォンが話題になる事が多々あります。そこでゼンハイザーHD25を使っていると言うと、そのDJへの信頼の度合いが確実に1段階上がります。ヘッドホン業界では有名なブランド、ゼンハイザー、その中でもモニター用途やDJ用途で質実剛健、性能の面から信頼性の高いHD25。見た目やうたい文句に囚われる事無く工業製品として質の高いモノを選ぶセンス。30年以上の長い年月にわたり高評価を得ている老舗の自慢の一品感、分かる人には分かるアイコンとして、HD25は持っていることで安心と信頼を得る事が出来ます。その信頼感は機材としての品質から始まり、HD25を選び使っている人と言う人物像に至るまでの大きい範囲にわたります。土台はドイツの音響機器と言う大雑把な分類で、根本となるイメージと直結した性能、私達がドイツ製製品ブランドに求める全てがHD25に集約されていると言っても過言では無いでしょう。
ケーブルが断線に強い鉄製の単線である事もHD25の特徴のひとつとなっています。徹底的にヘビーデューティを追求し、ゼンハイザーが出した答えがコレです。また最終的な音質に関わって来ているのがケーブルです。HD25にはリケーブル用の製品もいくつか出されており、それなりの評価はあるのですがクリアで抜けの良い音になる事で失われてしまうHD25オリジナルの低音のコシと言うモノが存在します。良かれと思って購入したリケーブル製品を取り付ける事によって失われてしまう個性・特性があります。そういう細かなリプレースメント製品が多いのも長期間に渡ってベストセラーを続けているHD25の特徴です。イヤーパッド、リケーブル、カスタムパーツを使って好みの音に仕上げていくのも楽しみ方の一つと言えるでしょう。
以下にYaxiイヤーパッドSpace rayを使った時のレビューを転載しておきますのでご参考にまで。
重低音を拡張する耳にやさしいつけ心地
DJとリスニングにこのパッドを付けたHD25を使用しています。
純正のイヤーパッドだと側圧強めで耳が痛くなるのでこの製品を取り付けて音楽を楽しんでいます。
特徴としては耳に当たる部分が合成スウェード、アルカンターラ作られている。側面の部分は3Mのリフレクター素材が使われていてそのトンネル構造と厚みのせいで、重低音がより強調される。
イヤーパッドの厚みとアルカンターラ素材のおかげで耳に対する圧力が拡散されて長時間つけていても耳が痛くなる事がなくなっており快適にHD25の音を楽しめる製品となっています。
またリフレクター部分の構造のおかげでHD25の長所である低音がより強調された音になり、重低音の効いた曲を長時間楽しめます。
イヤーパッドの質感は上質の合成スウェードと厚みのある構造でフカフカした感じです。
DJ用途で重要になってくる遮音性能ですが、厚みのある柔らかいパッドのおかげで耳にフィットするので既製品よりアイソレーション性能が高くなっています。そしてより強調された低音によりモニターしやすいDJにもオススメ出来る良い製品です。
最終的な感想としては買って正解だった。
耳当たりも向上していてしかも低音が既製品より良く鳴るので音楽を楽しむ目的で購入するなら5000円弱を払う価値有り。蒸れる事もなくYAXIと言う小さなブランドが質の良い製品を送り出してくれている事に満足している。HD25の音は好きだけど長時間のリスニングだと耳が痛くなる方には間違いなく推薦出来る製品です。